おお騒ぎな毎日です


by かあちゃんうさぎ
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夢中になると

ちいさなレイちゃんが、幼稚園のころのおはなしです。

ちいさなレイちゃんが通う幼稚園には、噴水がありました。
噴水は、こどもが10人ほど、手をつないだくらいの大きさです。
噴水のまわりは、30センチくらいの高さで、なかには、『きんぎょ』が
およいでいました。

ちいさなレイちゃんは、その『きんぎょ』が大好きでした。
リンちゃんやハルちゃんが、砂場やぶらんこで遊んでいても、
いつもレイちゃんは、『きんぎょ』のそばにいました。

スモックの下に、毛糸の服を着る季節になっても
レイちゃんは、『きんぎょ』をみつめていました。

レイちゃんは、気づいていました。
『きんぎょ』さんが、このごろ元気がないことに....
ちいさなレイちゃんは、心配で心配でたまりません。

そして、ついに、『きんぎょ』さんの姿が見えなくなりました。
それでも、レイちゃんは、水のなかを見ていました。
『きんぎょ』さんの姿をもとめて....

そんなある日、
見えたのです、あの赤い姿が....

ちいさなレイちゃんには、もう『きんぎょ』さんしか見えません。
その『きんぎょ』は、まっすぐにレイちゃんの方に泳いできました。

そして、ふちのところで、『キュッ』と、レイちゃんの左手側に
曲がったのです。

レイちゃんは、あわてて、ふちの手をかけ、
『きんぎょ』さんをおいかけます。


「ぱっしゃんんん」



レイちゃんは、あたまから水に落ちていきました。
それは、それは、ゆっくりと...
『きんぎょ』さんのおよぐ早さと同じくらい。

ちいさなレイちゃんには、そこから先の記憶がありません。
でも、レイちゃんのおかあさんは、おおあわてで濡れてない服を
持ってきてくれたんです。

だって、『おこられたり』、『笑われたり』は、おぼえてないけど、

ちょっと泣き笑いな若いおかあさんの顔は、
ちいさなレイちゃんの『たからもの』になったから。
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by usaginounojiha | 2008-05-11 08:46 | ちいさなお話