おお騒ぎな毎日です


by かあちゃんうさぎ
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カテゴリ:ちいさなお話( 4 )

夕焼けの中で

ちいさなレイちゃんが、まだ幼稚園のころのおはなしです。

ちいさなレイちゃんは、幼稚園で飼っている『ウサギさん』のことが、
大好きでした。
幼稚園からおうちに帰ってから、またお友だちと『ウサギさん』のところに
遊びにいくこともありました。

ちいさなレイちゃんは、その日、どうしても『ウサギさん』に
会いたくなったのです。
でも、その日は、いっしょに幼稚園へ行ってくれるお友だちが
いませんでした。

ちいさなレイちゃんは、ひとりで『ウサギさん』のところに
行くことにしました。
レイちゃんは、まっすぐに、ちょっと早足で幼稚園まで歩いて行きました。

幼稚園の『ウサギさん』たちは、いつもと変わらない姿で、
ちいさなレイちゃんを迎えてくれました。

ちいさなレイちゃんのまわりが、すこしオレンジ色に染まる頃でした。
レイちゃんは、『ウサギさん』の紅い目をじっとみつめていました。

『ウサギさん』もじっとレイちゃんをみつめています。

そして、その時、ちいさなレイちゃんは、とても不思議な気持ちになりました。
とても気持ちがいいのですが、それがどうしてなのかわからなかったのです。

ふんわりとその気持ちよさの中にいた、ちいさなレイちゃんは、
やっと気がついたのです。

目の前にいるのが、『ウサギさん』でないことに。

ちいさなレイちゃんは、どんどん紅が深くなっていく揺らめく時間に、
ほんの一瞬、大好きな『ウサギさん』なったのかもしれません。
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by usaginounojiha | 2008-07-03 01:53 | ちいさなお話

白い画用紙

ちいさなレイちゃんが、幼稚園のころのおはなしです。

ちいさなレイちゃんは、ももぐみさんでした。
その日のももぐみさんは、絵の具で白い画用紙に
お絵かきをしています。

ちいさなレイちゃんは、はりきって かいていました。
それは、それは、一生懸命に かいていました。
そう、ちいさなレイちゃんは、また周りが見えなくなっていました。
おともだちは、『おはな』やら、『おそら』やら、『らいおん』やらを
かいているのに....


そろそろ、お絵かきの時間が終わろうとするころに、
先生は、何もかいていない子がいることに、気がつきました。

先生は、その子のそばに来て理解したのです。
なぜ、なにもかいていないように見えたのかを。

ちいさなレイちゃんは、『ゆき』を かいていたのです。

そして、先生は、その子にいいました。
「れいちゃん、白い画用紙に白い絵の具で描いても見えないでしょう。」
と。

でも、ちいさなレイちゃんは知っています。
白い画用紙に白い絵の具でかいても、ちゃんと見れば見えることを。
そして、それが見えた時、とてもうれしいということも。

『きっと、先生にも見えるよ。』

ちいさなレイちゃんは、そっと心でつぶやきます。

その白い絵は、おともだちの絵といっしょに、
お部屋のうしろに はられていました。
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by usaginounojiha | 2008-05-26 09:32 | ちいさなお話

夢中になると

ちいさなレイちゃんが、幼稚園のころのおはなしです。

ちいさなレイちゃんが通う幼稚園には、噴水がありました。
噴水は、こどもが10人ほど、手をつないだくらいの大きさです。
噴水のまわりは、30センチくらいの高さで、なかには、『きんぎょ』が
およいでいました。

ちいさなレイちゃんは、その『きんぎょ』が大好きでした。
リンちゃんやハルちゃんが、砂場やぶらんこで遊んでいても、
いつもレイちゃんは、『きんぎょ』のそばにいました。

スモックの下に、毛糸の服を着る季節になっても
レイちゃんは、『きんぎょ』をみつめていました。

レイちゃんは、気づいていました。
『きんぎょ』さんが、このごろ元気がないことに....
ちいさなレイちゃんは、心配で心配でたまりません。

そして、ついに、『きんぎょ』さんの姿が見えなくなりました。
それでも、レイちゃんは、水のなかを見ていました。
『きんぎょ』さんの姿をもとめて....

そんなある日、
見えたのです、あの赤い姿が....

ちいさなレイちゃんには、もう『きんぎょ』さんしか見えません。
その『きんぎょ』は、まっすぐにレイちゃんの方に泳いできました。

そして、ふちのところで、『キュッ』と、レイちゃんの左手側に
曲がったのです。

レイちゃんは、あわてて、ふちの手をかけ、
『きんぎょ』さんをおいかけます。


「ぱっしゃんんん」



レイちゃんは、あたまから水に落ちていきました。
それは、それは、ゆっくりと...
『きんぎょ』さんのおよぐ早さと同じくらい。

ちいさなレイちゃんには、そこから先の記憶がありません。
でも、レイちゃんのおかあさんは、おおあわてで濡れてない服を
持ってきてくれたんです。

だって、『おこられたり』、『笑われたり』は、おぼえてないけど、

ちょっと泣き笑いな若いおかあさんの顔は、
ちいさなレイちゃんの『たからもの』になったから。
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by usaginounojiha | 2008-05-11 08:46 | ちいさなお話

はじめて出会って


ちいさなレイちゃんが、まだ幼稚園に行く前のおはなしです。

ちいさなレイちゃんは、そのころ、団地に住んでいました。
レイちゃんのおかあさんは、団地のおかあさんたちと一緒に
小さな畑を借りて、トマトやきゅうりを作っていました。
ちいさなレイちゃんも、野菜の苗にお水をあげたりのお手伝いを
していました。
ちいさなレイちゃんは、自分よりも大きな野菜たちに囲まれるのが
好きでした。
なんだか、ジャングルの中にいるようで。

そして、
そこで、
出会ってしまったのです。
生まれて初めて、


『へびに!』

ちいさなレイちゃんは、声も出せませんでした。
だって、だって、
レイちゃんは、『へび』は、外国のジャングルにしかいないと思っていましたから。

『どうしょう、大発見だ。ジャングルにしかいないヘビを見つけてしまった!』
と....。
でも、ちいさなレイちゃんは、そのことを誰にも話せませんでした。
ずっとずっと、一人で抱えていたのです。

ところが、ある日
「今年は、なんだか蛇が多くない?」
「そうよね、畑に行くのが怖いわ。」
という、おかあさんたちの会話が聞こえてきました。


『え〜〜!もしかして、へびってジャングルじゃなくてもいるの?』


なんだか、がっかりです。
大発見では、なかったようです。
でも、ちょっとホッとしていました。
だって、
「おかあさん、大発見、大発見〜〜。へびみつけたよ〜〜」
って、大騒ぎしなかったもんね。
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by usaginounojiha | 2008-05-05 20:41 | ちいさなお話